高齢者向け住まいは「予算」と「立地」で選びがちですが、入居してから「こんなはずではなかった」とならないよう「サービス」もしっかり確認しましょう。予算を決めて、希望に沿った「立地」「サービス」の住まいを選んでください。
POINT01 毎月かかる費用を知っておきましょう
高齢者向け住まいでの生活には、家賃や管理費などのほかに、食費、介護保険自己負担額、さらに医療費や日用品の費用などがかかります。
広告・パンフレットの価格に何が含まれ、それ以外にどのような費用がかかるのか、十分確認しましょう。
広告やパンフレットに
記載されている主な費用
- 家賃
- 管理費/共益費・基本サービス費
- 食費
※サービス付き高齢者向け住宅の月額利用料の価格表示では、食費が含まれていないこともあります。

その他、日常生活にかかる費用
- 水光熱費
- 介護保険自己負担額
- 医療費
- おむつ代、その他の日常生活費
- 個別サービス費(アクティビティ費、外出同行等)
- その他の嗜好品(新聞、おやつなどのお小遣い)


サービス付き高齢者向け住宅の費用例
85歳(女性)要介護2
Aさんの場合・・・
月額利用料※
- 家賃
- 54,738円
- 共益費・基本サービス費
- 35,898円
- 食費
- 44,128円
- 合計
- 134,764円
※平成30年度老人保健健康増進等事業『高齢者向け住まいにおける運営実態の多様化に関する実態調査研究報告書』による全国平均値
※金額はイメージです。
実際にかかる費用は各住まいの事業者にご確認ください。
出典:高齢者向けすまいの選び方ガイド 高齢者住まい事業者団体連合会

個人別
- 水光熱費
- 1,820円
- 介護保険自己負担分(要介護2)
- 16,325円
- 医療費・薬代
- 5,000円
- おむつ代
- 5,000円
- 通院付き添い
- 5,000円
- 雑費
- 10,000円
- 合計
- 43,145円

入居一時金(前払金)とは?
月額の費用を抑えるために入居時に支払う家賃等のお金です。
どのような根拠で決定されたお金か、また早期解約に伴う返金ルールは、契約前に十分確認しましょう。
一方、入居一時金を払わない有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、一般的な賃貸住宅と同様、入居時に敷金を求められることがあります。
POINT02
暮らしやすさ、
ご家族の訪問のしやすさも考えましょう
一般的には、ご本人が住み慣れた地域、ご家族が気軽に訪問できるところで選ぶのがよいでしょう。
予算の都合で離れた地域の住まいが候補に挙がる可能性もありますが、ご本人らしい暮らしのために慎重に検討しましょう。

POINT03 希望するサービスは受けられるか確認しましょう
高齢者向け住まいのサービスは多様です。おおまかに、
- ①入居の条件を満たしているか?
- ②望む暮らしが実現できるか?
- ③いつまで暮らせるか?
この3段階に分けて確認するといいでしょう。
1入居の条件を満たしているか?
まずは、ご本人の心身の状況から、入居できる住まいを探しましょう。
医療的なケアが必要な場合には、看護職員の配置状況などによって、対応できる住まいが限られます。
また、認知症の症状によって、必要なサービスが提供されているかどうかを確認することも必要です。

2望む暮らしが実現できるか?
食事やレクリエーションなど、充実した暮らしができるかどうかを様々な視点からチェックしましょう。
リハビリを頑張りたい、人と一緒に賑やかに暮らしたいなど、ご本人が望む生活スタイルかどうかも重要なポイントです。
暮らしのチェックポイント
- 食事の質はどうか?
- 健康への配慮はあるか?
- リハビリが充実しているか?
- 毎日の楽しみ(アクティビティなど)はあるか?
- 趣味は続けられるか?
- 賑やか、静かなど希望する雰囲気に合っているか?
- 外出は自由か?
- 家族はいつでも訪問できるか?

3いつまで暮らせるか?
看取りに取り組む高齢者向け住まいが増えつつありますが、まだすべての住まいで"最期まで"暮らすことができるわけではありません。
心身の状況の変化に伴い、暮らし続けることが難しくなるケースもあります。
どのような状態になったら暮らし続けることが難しくなるのかを確認しましょう。
見学の際は、看取りの対応状況や実績も聞いてみてください。